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homeスタッフブログ陽菜の「新人支援員・成長日記」

皆さん、こんにちは!
株式会社さくら福祉会、「歌う支援員」の陽菜(ひな)です。


シンガーソングライターになる夢を追いかけて、この佐久市にやってきて、そして「ジョブテラス山の畑」の一員になって、あっという間に数ヶ月が経ちました。


窓から見える浅間山の稜線も、だんだんと秋の色を纏い始めています。


今日は、そんな目まぐるしい毎日の中で私が見つけた、忘れられない「宝物」について、お話しさせてください。


その日、私はメンバー(利用者)さんとペアになって、三右衛門本舗さんの新商品「ずっくんフレンズ・キーホルダー」の梱包作業をしていました。


小さなずっくんたちを、一つひとつ丁寧に袋に詰めていく。


作業場には、カサカサ...という袋の音だけが響いていて、私の心の中は、実はちょっぴり焦りでいっぱいでした。


(何かお話しなくちゃ...!支援員として、もっと楽しい雰囲気を作らなきゃ...!)


でも、気持ちばかりが空回りして、気の利いた言葉なんて全然出てきません。ただ時間だけが過ぎていくことに、「私、ちゃんと支援員になれてるのかな...」なんて、胸がきゅっと苦しくなってしまいました。


その時でした。


「...陽菜さんの手、ギターを弾く人の手だね。きれい」


隣で作業をしていたメンバーさんが、ふと私の手元を見て、ぽつりとそう呟いたんです。


ハッとしました。


その一言が、まるで魔法の呪文みたいに、私の心の中で固く緊張していた何かを、ふわりと解かしてくれたんです。


「ありがとうございます!でも、ほら、マメだらけで全然きれいじゃないんですよ(笑)」


思わずそう言って指先を見せると、その方は優しく微笑んでくれました。


「練習の、証拠だね。かっこいいよ」


そこから、私たちは、初めて仕事以外の話をしました。


その方が好きなロックバンドの話、私がいつか作りたいと思っている歌の話。


気づけば、作業場には、私たちの笑い声が響いていました。


そして、その日の帰り際。


その方が私のところにトコトコとやってきて、小さな声で、でも、すごくまっすぐな目で、こう言ってくれたんです。


「今日は、ありがとう。楽しかった」


涙が、こぼれそうになりました。


ううん、ほんの少し、こぼれちゃったかもしれません。


私にとって、それは、この場所でいただいた、初めての「ありがとう」でした。


そして、その一言は、私に大切なことを教えてくれました。


私の仕事は、何か特別なことを「してあげる」ことじゃない。


ただ、隣に座って、同じ景色を見て、同じ時間を過ごして、心を通わせる。


その中で、一緒に「楽しい」や「嬉しい」を見つけていくことなんだって。


当たり前のようで、でも、私が見失いかけていた、最高に尊い真実でした。


まだまだ、未熟で、うっかりな私ですが、この宝物みたいな「ありがとう」を心の真ん中に置いて。


明日からも、私だけの、そして、みんなとの歌を探していきたいと思います。


最後まで読んでくださり、ありがとうございました!


陽菜でした♪